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興安丸の備品を市に寄贈 三原で解体された引き揚げ船 福山市鞆の佐藤さん「功績伝えて」

 戦後、朝鮮半島などからの引き揚げ船として活躍し、1970年に広島県三原市で解体された興安丸の備品など6点を、福山市鞆町の会社社長佐藤元(はじむ)さん(63)が19日、三原市に寄贈した。

 船内にあった5点(時計、船名板、照明、おの、器具)と、興安丸が撮影されたフィルム。佐藤さんが、三原市民を中心とする「興安丸を讃(たた)える会」のメンバーと市役所を訪れ、天満祥典市長に手渡した。

 佐藤さんは、興安丸を解体した業者から88年に譲り受け、保管していた。京都府舞鶴市の舞鶴引揚記念館への寄贈を考えていたという。ことし10月に同会の活動を新聞記事で知り、会合に参加。メンバーと相談し、三原市への寄贈を決めた。

 佐藤さんは「功績を後世に伝えるため有効に使ってもらえれば」と期待する。市は市歴史民俗資料館に展示する方針。

 興安丸は36年建造。下関市と韓国・釜山を連絡船として結んだ。戦後は朝鮮半島や中国、旧ソ連からの帰国者を長門市や舞鶴市まで運ぶなどした。(山本庸平)

(2014年11月20日朝刊掲載)

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