×

ニュース

「原爆の絵」に史料的価値 資料館展示 専門家が発表会 広島市中区

 広島市中区の原爆資料館の展示や調査内容を考察する「資料調査研究会」(会長・大井健次広島市立大名誉教授)の発表会が29日、中区の市まちづくり市民交流プラザであった。専門家5人の見解を約90人が聞いた。

 広島市立大広島平和研究所の水本和実副所長は、2010年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議後、世界で核兵器の非人道性への関心が高まってきたと説明。来春の次回会議に向け「広島と長崎の体験を、核兵器の廃絶や非合法化を目指す動きに直結させる努力が必要」と訴えた。

 広島女学院大の横山昭正名誉教授は、被爆者が自らの体験を描いた「原爆の絵」を紹介。あの日の惨状に迫る絵が千枚以上あることを踏まえ「『ホロコースト』の絵がこれほど多く残されたのは世界でもまれだ」と史料的価値を強調した。

 同研究会は1998年に発足。現在は専門家15人で構成する。毎年この時期に発表会を開き、研究成果は原爆資料館の展示に反映されている。(明知隼二)

(2014年11月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ