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原告最後の1人が死去 上関原発入会権訴訟 判決出ず終了へ

 中国電力上関原発建設予定地に当たる山口県上関町四代地区の山林をめぐり、入会権の確認を求めた訴訟の原告竹弘盛三さん(87)が死去したことが28日、分かった。入会権成立を認めなかった広島高裁の差し戻し控訴審判決を不服として、最高裁に上告していた。代理人の弁護士は「原告が亡くなり、上告審の継続は難しい」と説明。判決が出ずに終了する見込みという。

 関係者によると、家族が今月下旬、同地区で1人暮らしの竹弘さん宅を訪問。倒れた状態で見つかり、病院に搬送されたが、死亡が確認されたという。

 竹弘さんは2004年11月、上関原発に反対する住民たちで入会権の確認などを求めて提訴した。原告は当初4人だったが、3人が亡くなったり、地区外へ転居したりして、竹弘さん1人となっていた。広島高裁は昨年12月、差し戻し控訴審で山口地裁判決に続いて控訴を棄却。最高裁で係争中だった。(井上龍太郎)

(2014年11月29日朝刊掲載)

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