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沖縄本島沖に新鉱床 銅や金など日本最大級 18年度めど商業化判断

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は4日、沖縄本島沖の海底で金属が積もってできる海底熱水鉱床を新たに発見したと発表した。日本近海で見つかった鉱床としては最大級の規模とみられる。

 採取した鉱石から銅や金など計5種類の金属を既に確認した。今後は掘削調査などを実施し、商業化できるか2018年度をめどに判断する。

 東京都内で記者会見した辻本崇史理事は「日本固有の資源として期待できる。まだ調査が進んでいない別の海域があり、鉱床がさらに見つかる可能性もある」と話した。

 鉱床が見つかったのは沖縄本島の北西約150キロの排他的経済水域(EEZ)にある伊平屋小海嶺(かいれい)。12年度から調査を始め、水深約1600メートルの海底で南北約1キロ、東西600メートルの範囲に、鉱石が集まった地点が20カ所以上あった。

 海底面の鉱石の一部を分析した結果、銀、鉛、亜鉛も確認した。レアメタル(希少金属)も含まれていたが、ごく微量だったという。

 JOGMECは今後、海底を掘削し、鉱石の全体量や金属の資源量を調べる。鉱石を大規模に採取する技術の開発や費用の抑制が課題となる。

 JOGMECは13年に伊平屋小海嶺から約30キロ南の伊是名海穴で、これまでで最大の鉱床を確認しており、今回の鉱床はこれに匹敵する大きさという。

海底熱水鉱床
 金属が集まった海底とその地下。金属を含んだ海水がマグマで熱せられ、海底から噴き出した後に金属が冷えて固まる。金や銅、亜鉛などのほかに、半導体に使うガリウムなどのレアメタル(希少金属)を含む可能性がある。沖縄本島沖や伊豆、小笠原海域で見つかっている。

(2014年12月5日朝刊掲載)

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