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両陛下、慰霊碑に献花 広島 原爆養護ホームも訪問

 天皇、皇后両陛下は4日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に花を手向けられた。来年の戦後70年を前にした沖縄、長崎に続く「慰霊の旅」の一環。

 小雨の降る中、両陛下は松井一実市長の先導で中央参道を進み、原爆慰霊碑に白菊の花束をささげられた。深々と頭を下げ、死没者を追悼。行き帰りには、公園に集まった大勢の市民に手を振り、穏やかな笑みで応えた。

 その後、専用車で安芸区の原爆養護ホーム「矢野おりづる園」へ。柿木田勇施設長から約100人が入所する施設の概要について説明を受け、陛下は「健康はどうですか。被爆の影響とかは」などと熱心に質問された。

 入所者代表の78~101歳の被爆者10人とも懇談。皇后さまが「お寒くなりますから、風邪を召されぬようにね」と一人一人に温かい言葉を掛けられた。陛下は懇談後、「本当にご苦労の多い日々を過ごされたことと深くお察しします。来年は戦後70年になりますが、どうか元気で迎えられるよう願っています」とあいさつされた。

 宮内庁や広島県によると、陛下の広島入りは皇太子時代を含めて10回目。1949年4月、15歳の時に初めて広島市を訪れ、平和への思いを語られている。

 両陛下そろっての広島訪問は、ひろしま国体のあった96年10月以来、18年ぶり。この日午後、広島空港(三原市)から特別機で帰京された。(和多正憲)

(2014年12月5日朝刊掲載)

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