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旧海軍軍人の歩み鮮明 故畠山中佐の遺品 江田島の術科学校へ 合格通知や任命状25点

 広島市安芸区生まれで、海軍兵学校出身の故畠山国登中佐(1906~2008年)の遺族たちが4日、江田島市の海上自衛隊第1術科学校(江田島町)を訪れ、遺品を寄贈した。兵学校の合格通知や少尉から少佐までの任命状など25点。関係者によると、一人の海軍軍人の歩みをたどれる通知書や証書が一式そろっている例はあまりないという。(貞末恭之)

 長女の海部(かいべ)蓉子さん(79)=南区、中佐と交友のあった広島経済大の岡本貞雄教授(62)=宗教学=が徳丸伸一学校長を訪問。海部さんは「生前は見たことがないものばかり。学校で有意義に役立ててほしい」と、大正時代の海軍兵学校の募集要項や同校の卒業証書などを手渡した。

 遺品整理を頼まれていた岡本教授が、中佐の書斎で見つけた。海部さんと相談し、旧海軍関係資料がそろう第1術科学校内の教育参考館に管理を託した。同館によると保存状態もよく、まとまった形で残った貴重な資料という。

 畠山中佐は、旧制広陵中(現広陵高)を出て、海軍兵学校へ入校。太平洋戦争中はインドネシアやパプアニューギニアなどを転戦した。戦後は社会保険労務士などとして働き、101歳で亡くなった。寄贈品は今後、参考館で展示する予定。

(2014年12月5日朝刊掲載)

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