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遺骨 長男の浜田市長に 安芸高田出身 旧ソ連軍抑留後に死亡

 第2次世界大戦後、旧ソ連軍に抑留され、モンゴルで亡くなった安芸高田市吉田町出身の浜田一郎さんの遺骨が、長男で同市市長の浜田一義さん(71)の元に戻った。厚生労働省のDNA鑑定で身元が判明した。浜田さんは「これまでの家族の歩みを報告したい」と話す。

 3日夕、県西部厚生環境事務所広島支所の中川保夫支所長(58)たちが、同市吉田町吉田の浜田さん宅を訪問。白木の箱に入った遺骨を手渡した。

 同支所などによると、一郎さんは当時、南満州鉄道(満鉄)子会社の社員だった。中国・奉天(現在の遼寧省瀋陽)などで暮らしていた。終戦後、当時2歳だった浜田さんは母と一緒に日本に引き揚げたが、一郎さんは抑留され、モンゴル北部のスフバートルで1945年12月に35歳で亡くなったとされる。

 遺骨は、厚労省の遺骨収集帰還団が99年に持ち帰った。浜田さんが今春、鑑定用検体を提供し、身元が分かった。浜田さんは「父の記憶はほとんどないが、子煩悩だったと聞く。亡くなった地をいつか訪れてみたい」と話していた。(瀬良友和)

(2014年12月5日朝刊掲載)

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