×

ニュース

観光客増へ連携強化 呉の入船山記念館と大和ミュージアム 一体的広報や企画

 呉市の入船山記念館(幸町)は2015年度、大和ミュージアム(宝町)と連携を強める。4月に指定管理者制度へ移行、ミュージアムと同じ業者が運営するため一体的な広報活動や企画が可能になる。2館は約700メートルと近く、観光客の流れをつくり出す効果も期待できる。(広重久美子)

 記念館は、国重要文化財の旧呉鎮守府司令長官官舎を中心に1967年開館。明治以降の呉の歴史をたどる施設で、13年度は約1万9500人が訪れた。ミュージアムは旧海軍時代を含めた市の基幹産業である造船を主に扱い、製造業のまちの歴史を学べる。

 市は2館を合わせて訪れることで呉について広く深く学べ、相乗効果ももたらされると考える。市海事歴史科学館学芸課は「明治以降の呉の歴史を研究、紹介するという共通点がある」とする。学芸部門は引き続き市が担いつつ、ミュージアムで歴史入門、記念館でさらに焦点を絞るというように連動型企画も視野に入れる。

 記念館は文化施設の企画・運営会社トータルメディア開発研究所(東京)と呉市の保守管理清掃会社ビルックスが15年度からの2年間、「入船山記念館運営グループ」として運営する。ミュージアムは08年度から、2社に印刷業の凸版印刷(東京)と旅行業の日本旅行(同)を加えたグループが運営している。

 16年度で2館とも今の指定管理期間が終わり、17年度以降は2館一括で指定管理者を募り、さらに一体感を強める。

 ミュージアムは13年度、約90万9300人が来館した人気施設。しかし訪れた人を市内の別の施設にどう誘導するかが課題になっている。市観光振興課は「回遊性が高まれば、市への滞在時間が増える」と期待している。

(2015年1月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ