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11人の被爆体験 紙芝居に 戦後70年 平和の尊さ考えて 金野さん(御調)安国さん(三原)

 尾道市御調町の金野(かのう)省三さん(71)と三原市宮沖の安国忠司さん(71)が、御調町の被爆者の体験手記を基に、紙芝居を作った。16日、町内の被爆者たちに初めて披露した。

 タイトルは「ノーモア原爆」でB4判、50枚。同町原爆被害者協議会が出版した手記集から11人の話を盛り込んだ。やけどをして手の皮膚が垂れ下がった人たちが街をさまよう様子、建物の下敷きになった人を助けられなかった無念の思いなどを伝えている。

 この日、同会の溝上泰会長(82)宅に被爆者たち6人を招き、見てもらった。安国さんが絵をめくり、金野さんが文章を読み上げた。溝上会長は「原爆の悲惨さがよく表現されている」と話した。

 金野さんの妻鈴恵さん(71)が同会メンバー。戦後70年の2015年を前に紙芝居作りを思いつき、幼なじみで絵が得意な安国さんに協力を呼び掛けた。

 自費出版で絵本も作り、尾道市内の図書館に寄贈する予定。金野さんは「子どもたちが平和の尊さを考えるきっかけになれば」と話している。(新山京子)

(2015年1月17日朝刊掲載)

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