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御庄博実さん死去 89歳 被爆医師・反核の詩人

 被爆医師として国内外の核被害者に心を砕き、反核反戦の思いを言葉にし続けた詩人御庄博実(みしょう・ひろみ、本名丸屋博=まるや・ひろし)さんが18日、広島市安佐南区の病院で死去した。89歳。岩国市出身。

 御庄さんは、広島への原爆投下2日後に知人を捜して入市被爆した。岡山医科大(現岡山大)在学中に結核を発症し、療養のため古里に戻り詩作を開始。峠三吉が発行人を務めた「われらの詩」などで活動した。

 医師になってからは東京や倉敷市に赴任。公害問題にも向き合った。1977年、広島共立病院(安佐南区)院長に就任。在韓被爆者や、湾岸戦争などで米軍が使用した劣化ウラン弾の被害者支援に尽くした。院長を退いても一昨年まで診療の現場に立った。日本現代詩人会会員、中四国詩人会会長も務めた。

 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の活動を通じて親交があった同会の森滝春子共同代表は「会の結成前から核被害者に非常に強く心を寄せ、運動の面からも医師としても見守るように支えてくださった。また1人大きな存在を失った」と声を落とした。(森田裕美)

(2015年1月19日朝刊掲載)

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