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広島かき船移転「考える会」 被爆者ら 再検討求め署名活動へ

 広島市中区の元安川にある船上飲食店、かき船「かなわ」の原爆ドーム南約200メートルへの移転計画を受け、被爆者や平和団体の関係者たちが24日、「考える会」を結成した。移転を認めている市に対し、再考を求める署名活動に取り組む方針を決めた。

 この日、中区であった結成総会には、二つの県被団協メンバーや市民約90人が出席し、7人の呼び掛け人のうち5人が発言。広島大名誉教授の植木研介さん(70)は「食文化と祈りの場を一緒に考えることはできない」と強調。核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の森滝春子共同代表は「多くの被爆者が亡くなった川で許されない」と訴えた。

 移転撤回を求める街頭活動や、2月末までに2万人分の署名を集めることも決めた。

 かなわは治水上の問題で、現在地から水がほとんど流れない区域へ移転するよう国から求められていた。市の手続きを経て、国は昨年12月、移転先の占用許可を出していた。

 非政府組織(NGO)の日本イコモス国内委員会(東京)の事務局長たちは今月13日、「原爆ドームの精神的価値を下げる可能性がある」として、移転計画の再考が必要との見解を示している。(有岡英俊)

(2015年1月25日朝刊掲載)

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