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年度内再稼働「無理」 伊方原発 四国電 適合審査「ヤマ越す」

 四国電力の千葉昭社長は28日、山口県上関町の一部が半径30キロ圏に入る伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)について、新年度の早い時期の再稼働を目指す方針を明らかにした。本年度内の再稼働は日程的に不可能と述べた。

 高松市の本社で会見した千葉社長は、適合性審査を続ける原子力規制委員会の指摘を受けて、当初の申請を修正する補正書を2月にまとめる方針などを説明。「残り2カ月で再稼働するのは無理だとはっきりと申し上げる」と述べた。

 耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」が昨年12月にほぼ確定したのを受け、適合性審査は「大きなヤマは越えた」との見方も示した。

 適合性審査の終了後、四国電力は、愛媛県と伊方町から地元同意を得る方針で、県内の周辺自治体にも説明する。会見後、山口県や上関町への対応について千葉社長は「愛媛県を通じて求められれば、四国電力が説明する」と話した。

 伊方3号機は、地震の想定をめぐって審査が長引いていた。30キロ圏に上関町の離島の八島が入り、同町や山口県が伊方原発の事故を想定した防災訓練に取り組んでいる。(山瀬隆弘)

(2015年1月29日朝刊掲載)

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