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核燃料税を計上方針 4億7000万円 島根県、4年ぶり 15年度予算案

 島根県が、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の立地に伴い中電から徴収する核燃料税について、2015年度一般会計当初予算案に約4億7千万円を盛り込む方針を固めたことが29日、分かった。福島第1原発事故を受けた長期停止の影響で12年度から計上を見送っており、4年ぶりの復活となる。

 県は1、2号機ともに15年度も停止が続く前提で予算案を編成。停止中でも原子炉の出力に応じて課税する「出力割」を昨年12月に導入したため、税収を見込めるようになった。

 1、2号機にそれぞれ1億7千万円、3億円を課税する見通し。福島の事故を受け、事故に備える原発30キロ圏の県内4市の防災費用がかさんだ点を考慮。税収の2割の約9千万円を交付金として4市へ配る。配分率は、立地市の松江市6割、出雲市2割、雲南市1割、安来市1割とすることで4市から合意を得た。

 運転開始前の燃料挿入を受けて課税する従来の仕組みも残しており、2号機が15年中に再稼働すれば税収はさらに増える。

 一方、中電が3月までに廃炉を表明する見通しの1号機は、現行の税制上、廃炉を目的として運転を終えた月まで課税できる。10年3月から停止中だが、廃炉を前提とした停止ではないため課税が可能という。中電が廃炉を表明した場合に課税終了月を詰める。

 県の11~13年度の核燃料税収はゼロだった。14年度も運転再開の見込みはなく、県の試算で4年間の減収額は計108億1千万円に上る。(樋口浩二)

核燃料税
 原発立地道県が電力会社に課す税金。島根県は避難道路の建設など原発の安全対策に充てるため1980年以降、計166億3300万円を中電から徴収した。福島の事故以降、防災費用確保のため制度を見直す立地道県が続出。島根県も昨年12月、税率を核燃料価格の13%から17%に引き上げた上で、その半分の8・5%を停止中でも出力に応じて課税する仕組みに改めた。

(2015年1月30日朝刊掲載)

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