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「東日本大震災 支え 結ぶ」 30キロ圏 弱まる生活基盤

■記者 鴻池尚

NPO法人ピースビルダーズスタッフの山岸良馬さん(28) 

 福島県南相馬市で6~14日までの間、被災者支援のボランティアをした。福島第1原発から30キロ圏内の同市原町地区では、屋内退避している高齢者世帯を戸別に訪ね、安否や生活状況を確かめる活動に取り組んだ。

 訪問は1日15軒程度で延べ約70軒。連絡がすぐに取れる家族、自家用車の有無、介護の必要性など生活基盤の情報を集め、支援につなげている。必要な物資も届けた。

 震災後、医師による往診や看護師の訪問が滞った寝たきりの人や郵便局の機能停止で年金を引き出せない高齢者もいる。一日中、屋内にいてフラストレーションがたまっている様子も見受けられた。

 住民は放射線の影響に加え、原発事故による状況の悪化への不安が強い。特に、小さな子どもを持つ母親には大きな精神的負担がかかっている。

 現地は行政やNPOの機能が低下し、セーフティーネットが弱まっている。支援のニーズは多岐にわたり、今後は一つ一つ課題を浮き彫りにしながら検討し、継続的に対応していくことが必要だ。

(2011年4月20日朝刊掲載)

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