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五輪断念 JOCに伝達 松井広島市長 竹田会長は「残念」

■記者 岡田浩平、荒木紀貴

 広島市が秋葉忠利前市長の下で検討してきた2020年の夏季五輪招致で、松井一実市長は20日、就任後初めて東京都渋谷区の日本オリンピック委員会(JOC)を訪れ、竹田恒和会長に招致を断念する意向を伝えた。

 会談は非公開で、終了後に両氏がそれぞれ記者団の取材に応じた。松井氏は財政面の負担などを踏まえ、市長選では2020年の招致反対を訴えたとし「公約通り招致をとりやめる方向で手続きを進めている」と伝えた。

 一方、竹田氏は「世界平和を目指す広島と、スポーツを通じた平和の祭典である五輪の関係者の気持ちを一体化し、いい五輪が計画できればと期待していた」と表明。地方都市で開催する意義も踏まえて「非常に残念だ」と語ったという。

 松井氏は五輪開催への賛同意見にも配慮し、5月にも招致検討委員会を開き断念理由を説明する。今回のJOC訪問は正式な断念の報告ではなく「予告」とし、6月初めに最終報告する。

 また、松井氏は2024年以後の招致に関し「先のことは白紙だ。五輪そのものが悪いというわけではなく、状況が来ればまた考える」と述べた。

(2011年4月20日朝刊掲載)

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