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ヒロシマの役割果たして 元国連事務次長 大島さん講演 「安保理改革 重要な課題」

 「戦後70年 国連と広島を考える」と題した公開セッションが21日、広島市中区の中国新聞ビルであり、東区出身の被爆者で元国連事務次長の大島賢三さん(71)が、国連の歩みや世界平和に向けた被爆地の役割について講演した。国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所(中区)と中国新聞社が主催し、約100人が聴講した。

 大島さんは、第2次大戦が終わった1945年に51カ国で発足した国連が、現在は193カ国に広がり、国家間の合意形成などに一定の役割を果たしてきたと説明。一方、国際平和を担う安全保障理事会で、強い権限を持つ常任理事国が自国の利益を優先する現状をめぐり「70年たてば制度疲労もある。安保理をはじめとした改革が近年の重要な課題だ」と述べた。

 平和構築に向けた被爆地の役割については「広島には『平和の象徴』としての強みがある」とし、官学民の連携で人材育成や政策提言を担う拠点を設けるよう提案。「国連にはできない、広島独自の役割を自ら考え、果たしてほしい」と期待を寄せた。(明知隼二)

(2015年2月22日朝刊掲載)

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