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第五福竜丸被災テーマ 「死の灰」展 東京で始まる

■記者 岡田浩平

 太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験で、静岡県のマグロ船第五福竜丸が浴びた放射性降下物をテーマにした美術展「EXPOSE 死の灰」が22日、東京都世田谷区のアートスペース「KEN」で始まった。5月18日まで。

 爆発で吹き上げられたサンゴ礁の微粉末「死の灰」を展示。青空などの風景写真の上に銀色の点を刷ったシルクスクリーンや、福竜丸の母港の焼津港で「死の灰」を撮影した銀板写真など、ビキニ被災を表現した若手デザイナーや写真家の作品計12点が並ぶ。

 57年前の被災の現実を受け止めて、表現したり行動したりするきっかけに、と「粟津デザイン室」が企画。準備の最中に福島第1原発の事故が起きた。代表の粟津ケンさん(51)は「原発事故でリアリティーが増す放射線の怖さを考え、どう反応するか考える場になれば」と話す。期間中に福竜丸元乗組員らを招いた催しも開く。「KEN」Tel03(3795)1776。

(2011年4月23日朝刊掲載)

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