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戦艦長門 35年かけ再現 安芸高田市吉田の原田さん 病気乗り越え「満足」

 安芸高田市吉田町吉田の無職原田省壮さん(65)が、旧海軍の戦艦「長門」の精巧な大型模型を35年かけて完成させた。病気で製作を中断したこともあったが「満足できる形に仕上がった」と喜ぶ。(瀬良友和)

 模型は150分の1サイズで、全長約1・7メートル。船体部分は主にラワン材、艦橋部分はプラスチック板を使い、図面を掲載したマニュアル本を参考にして、砲門や煙突など細部まで再現した。

 長門を選んだのは、「他の戦艦よりも艦橋部分の形状が複雑で、挑戦のしがいを感じたから」と振り返る。9層からなる艦橋はプラスチック板を張り合わせて一層ずつ作り、重ねて仕上げた。

 原田さんは、子どものころから模型作りが趣味だった。鉄工所勤務を経て、バスの運転手をしていた1980年9月、31歳の時に製作に取りかかった。

 30歳代の終わりまでに7割ほど完成させたが、40~50歳代は仕事が忙しかったことに加え、大腸がんを患うなどしたため、思うように進まなかった。体調が回復した2010年以降、作業もはかどり完成にこぎ着けた。

 1月下旬に同町であった市民文化祭に模型を出品したところ、好評だった。要望があれば、学校など公共施設への寄贈も検討する。原田さんは「模型離れが進む子どもたちに刺激を与えることができたら」と話している。

(2015年2月23日朝刊掲載)

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