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問題解決へ授業研究進む 島根県教委 指導用手引 作成に着手 「竹島の日」10年

 「竹島の日」は22日、島根県条例制定後10回目を迎えた。島根県内の教育現場では、県教委が竹島を授業で取り上げることを勧め、教師たちの授業研究も盛んでノウハウの蓄積が進む。4月から小学高学年の社会科教科書全てに竹島が明記されるのを機に、県教委は小学-高校教師の指導用ハンドブック作成に着手。「問題解決へ、まず子どもの関心をより高めたい」との思いを込める。(川井直哉)

 安田小(安来市)で20日、県内の教諭たち約80人でつくる県国際理解教育研究会が開いた6年社会の授業。担任教諭が「竹島問題を解決するには」との問いに、児童は「世界に訴える」など意見を出し合った。

 県教委は2005年3月の条例制定後、教育現場での取り組みを本格化。県内全ての小中高校では、県作成の副教材のDVDやリーフレットを使い、卒業までに1回以上は竹島関連の授業をする。

 同研究会会長で比田小(同市)の山口修司校長は「竹島をめぐる日韓関係を知る県内の子どもが増え、理解が広がっている」という。

 文部科学省は、教科書作成の指針となる中学と高校の解説書を14年1月に改定し、竹島を「固有の領土」と明記。春からは小学校の社会の教科書でも竹島問題が記述される。県教委は国の動きに対応し、より授業を充実させるため、教師対象の学習用ハンドブック作成に着手しており、3月末の完成を目指す。

 「領土に関する教育ハンドブック」と題し、問題プリントを載せるなど、小中高校それぞれで効果的に授業が進められる内容にするという。完成後に県内全361の小中高校に1冊ずつ配布する。

 県内での対応が進む一方、全国では竹島問題への取り組みはまだ積極的とはいえない。県教委はノウハウを全国に広げるためハンドブックを46都道府県と政令市の教育委員会にも発送する。県教委教育指導課は「全国で竹島問題の授業が実施され、解決の一歩になるのを期待している」としている。

(2015年2月23日朝刊掲載)

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