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福島第1原発 30キロ圏外でも高線量 分布マップ初公表

 政府と東京電力の事故対策統合本部は26日、福島第1原発事故を受け、周辺地域で計測した放射線量を基に作成した4月24日現在の放射線量分布マップを初めて公表した。

 放射線量を等高線のように表示。屋内退避区域外とされた、原発から半径30キロ圏外でも通常の数百倍に相当する毎時20マイクロシーベルトの地域があるなど、依然として高い放射線量であることが裏付けられた。

 測定地点ごとの数値や「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」による試算図は出されていたが、実際の測定値に基づき面的に評価したマップの公表は、事故後1カ月半たってようやく実現した。公表の遅れで政府の情報収集と公開の姿勢が問われる。

 マップでは、原発の北西方向を中心に放射線量が高くなっている。一方、南西方向では警戒区域となった半径20キロ圏内でも、毎時1マイクロシーベルトを下回る地域があり、方角によってばらつきが大きいことが読み取れる。

 統合本部は、事故からちょうど1年となる来年3月11日までの積算被曝放射線量の推定値の分布マップも公表した。推定の起点は3月12日の午前6時。計画的避難区域となった福島県浪江町の1地点では235.4ミリシーベルト。計画的避難区域の基準となった1年以内の積算被曝線量20ミリシーベルトの11倍以上に当たる。

 同じ計画的避難区域内でも推定値には差があり、飯舘村の1地点では10ミリシーベルトで基準の半分。一方、計画的避難区域に指定されていない伊達市の一部で20ミリシーベルトを上回った。

(2011年4月27日朝刊掲載)

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