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没後69年の命日 遺骨帰郷 シベリア抑留中死亡 庄原市東城出身の上田さん

 第2次世界大戦後のシベリア抑留中に24歳で亡くなった、庄原市東城町内堀出身で陸軍歩兵第231連隊の上田武男さんの遺骨が25日、同町の遺族の元へ戻った。厚生労働省の資料では、上田さんが亡くなったのは1946年2月25日。没後69年の命日、上田さんは実家に帰った。(山本堅太郎)

 県北部厚生環境事務所の出口勝美所長たち3人が、親族たちが待つ実家を訪問。厚生労働省のDNA鑑定で身元が判明したことなどを説明し、めいの上田広子さん(79)、弟の為石遠三さん(90)=東城町粟田=に遺骨を手渡した。

 為石さんは「子どものころ、一緒に相撲やかけっこをして遊んだことを思い出した。よく帰ってきた」と喜んだ。

 県社会援護課によると、遺骨は政府派遣の遺骨収集帰還団が、ロシア東部のカダラ村墓地から2001年8月に持ち帰った。上田さんの元上官坂井正男さん(92)=福山市北美台=が遺族にDNA鑑定の申請を促し、身元の判明につながった。

 広子さんは「遺骨が戻ってくるなんて奇跡のよう。当分は家でゆっくりさせてあげたい」と目を潤ませた。

(2015年2月26日朝刊掲載)

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