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広島市長、脱原発に言及 長崎市長と会談後会見

 広島市の松井一実市長が10日、4月の就任後初めて長崎市を訪問し、田上富久市長と会談した。その後の記者会見で松井市長は、福島第1原発事故に関連し「脱原発」も含めて「国にエネルギー政策の見直しを言っていきたい」と強調した。

 松井市長が脱原発に言及した一方、田上市長は「(原発の)リスクとメリットの両方について国民的な議論をする時期に来ている」と述べるにとどめ、慎重な姿勢を示した。

 また、2020年夏季五輪の広島招致断念を松井市長が表明したことを受け、田上市長は「非常に残念だが、平和について世界の人に伝えるため、ほかのアイデアで取り組みたい」と話した。

 会談では、両市が先頭に立つ平和市長会議や日本非核宣言自治体協議会での連携を深め、核兵器廃絶に向けて取り組む方針を確認。原発事故では「放射線の正しい知識を伝えていくことが重要」との認識で一致。被災地支援でも連携する。

 松井市長は会見後、脱原発に言及した意図について、上関原発(山口県上関町)など個別の建設計画を念頭に置いた発言ではないと説明した。

(2011年5月11日朝刊掲載)

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