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遺品が語る原爆の悲劇 資料館展示 遺族寄贈の衣類など

■記者 金崎由美

 原爆犠牲者が被爆時に身に着けていた形見の品などを展示する「家族の面影―遺族の悲しみ」が、広島市中区の原爆資料館で開かれている。

 東館3階の「収蔵資料の紹介」コーナーに犠牲者6人の遺品やゆかりの品々、遺影などが並んでいる。2002~05年に遺族から寄贈を受けた。

 広島駅近くで被爆し亡くなった太尾田洋夫ちゃん=当時(2)=の遺族は、血の痕がにじむ小さなパンツと笑顔の遺影を資料館に託した。建物疎開作業中に被爆し、3日後に亡くなった旧広島女子高等師範学校付属山中高等女学校2年の亀井冨子さん=同(13)=の遺族は、遺髪を提供した。

 下村真理学芸員は「遺族のみなさんが遺品の寄贈に込めた、原爆の悲劇を二度と繰り返してはならない、との思いを感じてほしい」と話している。展示は10月6日まで。

(2011年5月12日朝刊掲載)

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