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『フクシマとヒロシマ』 消防隊員ら診察始まる 原発周辺捜索活動

■記者 河野揚

 福島第1原発事故を受け、福島県立医科大(福島市)の付属病院で16日、原発周辺で捜索活動などをしている警察官や消防隊員、自衛隊員の診察が始まった。広島大と長崎大の医師も加わり、初日は消防隊員10人が受診した。

 診察は午前11時ごろスタート。10人全員が問診と採血をし、ホールボディーカウンター(全身測定装置)で放射線量を測った。広島大原爆放射線医科学研究所(広島市南区)の細井義夫教授たちが放射線量を評価し、放射線に関する隊員の悩みなどに応じたという。

 空間線量率が高いエリアで捜索する警察官や消防隊員から心の不安を訴える声があり、県の要請を受けて、2次被曝(ひばく)医療機関である県立医科大が診療の準備を進めていた。体制が整えば一般住民の診察も検討する。

 県立医科大付属病院放射線科の宍戸文男教授は「高い放射線量の中で作業し、気持ちが休まらない隊員たちが多い。丁寧な対応で不安を取り除いていきたい」と話している。

(2011年5月17日朝刊掲載)

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