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オバマ夫人へ原爆絵本 広島の女性団体 米大使館へ送付

 平和に関する絵本を世界に広めている広島市の女性グループ「ひろしまと世界を結ぶこども文庫」(柴田幸子代表)が、来日したオバマ米大統領の妻ミシェルさん宛てに、「絵で読む 広島の原爆」の英語版を米大使館(東京)に送った。

 被爆前の活気ある町並みや、原爆被害のむごさと復興の歩みを描写。原爆開発の歴史なども盛り込まれ、「忙しい人でも被爆の実態を学べる。ぜひ目を通して」と柴田さん(83)は話す。

 送ったのは、キャロライン・ケネディ大使の分を含め2冊。費用は国際ソロプチミスト平和広島(中区)の助成金で賄った。「この本を通して広島の人々の平和への願いが届くことを願う」とする手紙を、広島YMCA外語学院(中区)の鶴田マリ名誉学院長に英訳してもらい同封した。

 こども文庫は1996年の結成以来、広島を訪れた153カ国・地域の人たちに絵本2千冊以上を手渡してきた。2008年、主要国(G8)下院議長会議(議長サミット)が広島市内で開かれたのを機に、各国の要人に届ける活動にも力を入れている。

 原爆の惨禍を地道に伝えてもなお核兵器廃絶が見えない現実に胸を痛め、「世界の影響力がある人たちにも発信したい」と思い立ったという。要人からの反応は多くはないが、柴田さんは「諦めては駄目。次世代に平和な世界を残すため粘り強く活動するのが私たちの責任」と力を込めた。(金崎由美)

(2015年3月23日朝刊掲載)

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