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大虐殺の現場直視 スタディーツアー アウシュビッツ訪問

 公益財団法人ヒロシマ平和創造基金(理事長・岡谷義則中国新聞社社長)主催の欧州スタディーツアーに参加した被爆地広島の大学生・高校生8人は23日、ポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡を訪れ、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の悲劇を学ぶ活動を始めた。 (オシフィエンチム発 東海右佐衛門直柄)

 跡地にある国立博物館で唯一の日本人公認ガイド、中谷剛さん(49)の案内で見学。収容者から刈り取られた毛髪、山のように積まれた靴やかばん、義足…。生々しい遺品の数々について説明を受けると、真剣な表情でメモを取っていた。

 一度に600人が詰め込まれたガス室にも入った。ナチスは犠牲者の金歯や指輪を抜いて延べ棒に、死者の灰は肥料にしたという。中谷さんは「極めて冷酷に思われるナチス幹部も、実は家に帰ると子どもと遊ぶ普通の人。同じ状況になれば、誰もが同じことをしたかもしれない。戦争のむごさを考えて」と訴えた。

 中国新聞ジュニアライターの県立広島高2年河野新大さん(17)は「ガス室に送られる恐怖を想像して身が震えた。悲劇を繰り返さないためにすべきことを考え続けたい」と話していた。

(2015年3月24日朝刊掲載)

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