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プルトニウム 透明性を 原水禁など4団体 首相宛て要請書

 原水禁国民会議やピースボートなど平和・反核4団体は24日、国会内で記者会見し、国内外に保有する核燃料のプルトニウム保有量について、日本政府の把握体制が不十分と批判した。日本が進める核軍縮・不拡散に「国際的な疑念を招く」とし、透明性の向上を求める安倍晋三首相宛ての要請書を官邸に提出した。

 内閣府は昨年9月、2013年末時点の保有量は約47・1トンで、前年より約2・9トン増加したと原子力委員会に報告した。増加分には国際原子力機関(IAEA)への報告漏れ分が含まれており、4団体は「政府が一元的に把握できていなかった」と指摘した。

 要請書では「プルトニウム47トンは核兵器6千発近くに相当する」と強調。テロなどの懸念から核セキュリティーの重要性が国際的に高まる中、少なくとも政府が保有量を包括的に把握し公表できるまで、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の運転計画を中止するよう求めた。

 原水禁の藤本泰成事務局長は「政府は核兵器廃絶を訴えながら、保有国並みのプルトニウムを持っている。透明性を確保しなければ国際的な信頼は得られない」と訴えた。(藤村潤平)

(2015年3月25日朝刊掲載)

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