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福山に被爆者新団体 来月設立 2世が会長就任へ

 福山市原爆被害者の会が3月末で解散する方針を決めたことを受け、同市の被爆者や被爆2世、遺族の約40人が新しい団体を結成する準備をしていることが25日、分かった。会長には被爆2世が就く予定。広島県被団協(坪井直理事長)によると、2世が会長を務める被爆者団体ができるのは同県内で初めて。

 新団体は「福山市原爆被害者友の会」(仮称)で、4月4日に市内で設立総会を開く予定。会長には、被爆2世で元福山平成大教授の藤井悟さん(68)が就任する見通しという。会員の半数以上は被爆者や遺族だが、運営の中心は被爆2世が担う予定でいる。

 解散する市原爆被害者の会の会員は、被爆2世や遺族を含めて約500人。役員の高齢化を背景に、2月の臨時役員総会で活動に終止符を打つことを決めた。ただ、解散の賛否は拮抗(きっこう)し、存続を求める声も多かった。このため、賛同者で新しい団体を発足させ、被爆2世が役員として運営の中心となることにした。

 被爆者団体の活動をどう続けていくかは他の市町でも課題となっている。藤井さんは「体験を語り継ぐため、他団体とも連携し、会を維持していきたい」と話している。(小林可奈)

(2015年3月26日朝刊掲載)

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