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原発、地震にも備えを 島根知事、中電の緊急安全対策に 

■記者 樋口浩二

 島根県の溝口善兵衛知事は26日、福島第1原発事故を受けて中国電力が島根原子力発電所(松江市鹿島町)で進める緊急安全対策について、「津波対策だけでは不十分」との認識を示した。福島原発事故の国の報告に対し「地震の影響と安全性を判断できるデータが十分ではない」とし、地震対策の必要性を強調した。

 溝口知事は、福島第1原発事故で地震の揺れが原子炉の冷却装置の破損に影響した可能性が出ている点を重視。「地震が冷却系統や放射能の流出に影響を与えたのか、国は究明し、どう対策を取るのか示す必要がある」と求めた。

 さらに、定期点検中の島根原発1号機の運転再開については、福島原発事故を踏まえた今後の地震対策を重視する考えを示し、「総合的に判断していく」と述べるにとどめた。

 溝口知事は18日にも、経済産業省原子力安全・保安院の「運転再開に支障はない」とする説明に対し、「地震を含めた事故原因の分析が十分でない」と注文していた。

 また、島根原発が立地する松江市の松浦正敬市長も、保安院の地元説明に対し「地震による被害の検証が不十分」と述べ、運転再開に慎重な姿勢をみせている。

(2011年5月27日朝刊掲載)

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