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三次に「平和文化村」構想 広島平和文化センター前理事長リーパーさん 「豊かさ」問う交流の拠点に

 広島平和文化センター(広島市中区)の前理事長スティーブン・リーパーさん(67)が、広島市から三次市に移り住み、田舎暮らしを通じて平和を考える活動拠点「平和文化村」の構想を練っている。国内外の人を招き、国際交流の場にする。(野平慧一)

 三次市甲奴町福田の古民家を拠点に活動する。田んぼや畑の手入れ▽森林や竹林の探検▽古民家の改修▽演奏会や絵画の創作―などに取り組む。平和活動に携わる国内外の人や、地元住民、活動への賛同者たちと企画を練り、今夏にも第1弾のイベントを開く。

 リーパーさんは、米イリノイ州生まれ。2007年4月から6年間務めた同センター理事長時代、平和活動に取り組む中で「世界で石油や食物など資源をめぐる争いがなくならない。今後、日本でも大きな痛みを伴うことになる」と感じた。「便利でモノがあふれる時代。豊かさに対する意識を少しずつ変え、持続可能な生活を実践するモデルを示したい」と平和文化村の開設を思いついた。

 町とのつながりは、約10年前、リーパーさんの次男ヨシオさん(37)が、外国語指導助手(ALT)として甲奴中で2年間務めたことが縁で生まれた。何度も訪れるうち、知り合いの住民ができたことに加え、「イメージを実現できるだけの豊かな自然がある」と判断し、甲奴に決めた。

 古民家は、築100年以上の木造2階建て。近くに約6千平方メートルの田畑もある。15年ほど前、書籍の出版を依頼して知り合った出版会社経営鈴木和満さん(66)=広島市東区=の実家。構想を打ち明けたところ、古民家を貸してもらえることになり、ことし1月に引っ越した。リーパーさんは「活動を根付かせて、いずれは母国にも平和文化村を開きたい」と話している。リーパーさんTel080(4267)3566。

(2015年3月27日朝刊掲載)

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