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アンネ隠れ家訪ね悲劇実感 オランダ 広島のスタディーツアー一行

 ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)について学ぶためオランダを訪れている、スタディーツアー(主催・公益財団法人ヒロシマ平和創造基金)メンバーの被爆地広島の大学生・高校生8人は26日、「アンネの日記」で知られるアンネ・フランク(1929~45年)の隠れ家を訪れた。日記の実物を見学し、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の悲劇に触れた。(アムステルダム発 東海右佐衛門直柄)

 一行は、回転式本棚で隠された入り口から、狭く急な階段を上って、アンネが家族らと一緒に約2年間住んでいた隠れ家に入った。ギシギシと鳴る床を歩きながら、音を立てないように暮らした厳しい生活を思い描いた。

 見学に先立ち、ロナルド・レオポルド館長(54)と面会。「ここは悲劇の場所。ただ、アンネが最後まで希望を持ち、将来を願い続けたことを感じてほしい」などの説明を受けた。

 県立広島大1年、時盛郁子(ふみこ)さん(19)は「厚いカーテンに覆われた部屋で、どんなに息苦しい思いをしていたのだろうと想像した。小さな文字でびっしり書かれた日記を見て胸が締め付けられそうになりました」と話していた。

 メンバーは29日に帰国する。その後、現地での活動や感想は中国新聞で紹介。報告会を各高校・大学などで開き、戦禍の記憶継承などについて話し合う。

(2015年3月28日朝刊掲載)

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