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核兵器なき世界 NYでアピール NPT再検討会議27日開幕 広島県内の小中高生ら続々渡米

 27日開幕する核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせ、県内から高校生や広島邦楽連盟(広島市東区)のメンバーが続々と米ニューヨークを訪れる。190カ国の政府代表が集い、核軍縮や不拡散を議論する5年に1度の場。それぞれ集会でのスピーチや演奏を通じ、「核兵器なき世界」の実現へ後押しする。(菊本孟)

 広島女学院高、修道高(以上中区)、盈進高(福山市)などの10人は広島平和文化センターから派遣される。国連本部で30日にある平和首長会議(会長・松井一実広島市長)のユースフォーラムに参加。各国の政府関係者たちを前に、核兵器廃絶への思いなどを学校ごとに約10分、英語でスピーチする。

 広島女学院高の4人は感情を込めた伝え方などを連日、特訓中。被爆体験の聞き取りや碑巡りの案内など日頃の平和活動を紹介し「核兵器禁止条約締結のために私たちは活動を続ける」と宣言するという。3年の徳山実紅(みく)さん(17)=安佐南区=は「核兵器の非人道性にスポットが当たる中、原爆の悲惨さや被爆者の願いを伝える」と意気込む。

 修道高は3年の石井響弥君(17)=東区=たち2人が、戦争や核兵器をなくす地道な活動の大切さを訴える。一行は滞在中に米国の高校生と交流。国連へ、千羽鶴や核兵器廃絶を求める署名を届ける。

 一方、広島邦楽連盟の小中高生計10人を含む26人は30日夜に国連本部でコンサートを開く。わらべ歌メドレーなど6曲で、歌声や琴の音色を響かせる。市の被爆70年事業にも位置付けられており、福盛智子会長(70)=東区=は「ヒロシマの持つ平和の発信力を子どもたちが実感し、受け継ぐ機会にもなれば」と期待している。

(2015年4月25日朝刊掲載)

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