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原爆20番組 連夜の放送 被爆70年 多様に回顧 広島テレビ 28日から

 広島テレビは、原爆をテーマに制作した1960年代以降のドキュメンタリー番組20本を、28日未明から連日、放送する。被爆者の証言や海外に広がる核被害など多様なテーマで、被爆地のテレビジャーナリズムの変遷を伝える。

 被爆70年に合わせて企画した。初回は「チンチン電車と女学生」(2003年)を28日午前2時54分から。5月23日までほぼ毎日、未明に放送する。

 学徒動員中に1年生322人が全員亡くなった広島二中(現観音高)の生徒の遺族の証言を記録し、芸術祭優秀賞を受けた「碑(いしぶみ)」(69年)は5日に放送。広島市出身の俳優杉村春子さん(97年に91歳で死去)が証言を朗読している。「碑」をテーマにした合唱曲を歌い継ぐ観音高の活動を記録した「それぞれの『碑』、願い」(10年)は翌6日に放送する。

 旧ソ連の核実験場付近に暮らす住民の健康被害に迫る「核汚染の原野」(90年、4月29日放送)や、米国・スミソニアン航空宇宙博物館での原爆投下機エノラ・ゲイ号の展示問題を追った「原爆を投下した国は」(95年、30日放送)など、海外への取材の広がりに加え、60年代から一貫して追い続ける原爆ドームの保存運動なども伝える。

 62年に開局した広島テレビが制作した原爆関連のドキュメンタリーは111本に及ぶ。同局は一部作品を6月から、ホームページで公開する。(石川昌義)

(2015年4月25日朝刊掲載)

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