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原爆やテロ 悪夢は続く 心理的影響考えるシンポ 広島

■記者 野田華奈子

 原爆や米中枢同時テロによる心理的影響を考えるシンポジウムが19日、広島市中区幟町の広島国際大広島キャンパスであった。トラウマ研究の第一人者、米ニューヨーク市立大のチャールズ・ストロジャー教授と広島国際大大学院の一丸藤太郎教授(臨床心理学)がパネル討論した。

 ストロジャー教授は、米中枢同時テロの被害者にみられた不安感の増大や不眠などの症状を紹介。「飛行機事故などの悪夢を継続して見る例も多い」と分析した。

 一丸教授は、広島市の調査と同時に実施した被爆者の心理調査結果を報告。被爆から60年以上過ぎても火事や災害を機につらい被爆体験がよみがえる人がいると指摘した。

 また福島第1原発事故にも触れ「(放射線のように)目に見えないものは恐怖や偏見をより大きくする」と述べた。シンポジウムは広島国際大大学院の実践臨床心理学専攻主催。研究者や市民ら約120人が参加した。



(2011年6月20日朝刊掲載)

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