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被爆地でも反核の輪 原爆ドーム背にメッセージ

 米ニューヨークでの核拡散防止条約(NPT)再検討会議の開幕に合わせ、被爆者や平和団体のメンバーたちが27日、広島市中区の平和記念公園内にある元安川西岸の親水テラスで、核兵器廃絶を訴えるメッセージを掲げた。世界各地でのPR行動「グローバルウェイブ」の一環。(菊本孟)

 広島では、反核団体でつくる実行委員会の呼び掛けに応じた約40人が参加。核被害を伝える原爆ドームを背に「核よ、さようなら」「Good―bye NUKES」などと記したボードや紙を一斉に示し、様子を写真に収めた。被爆者や高校生のスピーチの動画も収録した。

 取り組みはスイスの非政府組織(NGO)などが提唱した。国内の取りまとめに当たるNPO法人ピースデポ(横浜市港北区)によると、広島のほか長崎市や沖縄県名護市など4都市でも企画。いずれもインターネットの専用ホームページに近く載せ、廃絶を願う声の広がりをアピールするという。

 ただ、日米両政府は日米防衛協力指針(ガイドライン)に米国による核抑止力の保持を明記。被爆地の願う核兵器廃絶の道筋は見えていない。参加した被爆者の岡田恵美子さん(78)=広島市東区=は「(核兵器の存在を前提とした)核抑止力を絶対に認めない。被爆70年のことしを核兵器廃絶のスタートにして」と願った。

(2015年4月28日朝刊掲載)

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