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上関原発「いったん凍結」 意見書案 柳井市議会 可決へ

■記者 久保田剛

 山口県上関町への原発建設計画をめぐり、柳井市議会(定数18)は20日の議会運営委員会で二つの意見書案について協議した。しかし、「中止」を求める案と、「いったん凍結」を求める案を一本化できなかった。13人が提案した「いったん凍結」の案が定例会最終日の24日、賛成多数で可決される見通しとなった。

 共産党の2人と無所属の1人の案は、二井関成知事や菅直人首相に中国電力への建設中止の申し入れなどを要請。これに対し、無所属や公明党の計13人の案は上関町の意向を大切にし、住民が理解できる安全基準を作成する▽新設および増設はいったん凍結し安全対策を徹底する―ことなどを主張した。

 議運委では、共産党の市議から「凍結」とする修正案も示された。しかし、「国の方向性が出ていない」「国策の中止や凍結は問題がある」などの意見が出て全会一致を目指した協議は整わなかった。2案とも本会議で採決されることになった。

 柳井市は上関町に隣接し、市域の一部が原発建設地から20キロ圏に入る。電源立地地域対策交付金の配分額として約23億円が示されている。

(2011年6月21日朝刊掲載)

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