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核禁止条約「交渉入りを」 NPT会議 広島市長 各国に働き掛け

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席するため米ニューヨークを訪れている広島市の松井一実市長が、国連や各国政府の代表たちに相次ぎ会い、核兵器禁止条約の早期の交渉開始へリーダーシップを発揮するよう働き掛けている。 (ニューヨーク発 田中美千子)

 28日は国連本部でオーストリアのクルツ欧州・国際関係相(外相)と面会した。松井市長は冒頭、核兵器の非合法化に向けた同国政府の取り組みを歓迎。非公開の意見交換では、「再検討会議で核兵器禁止条約に一歩でも近づける文書を採択するよう働き掛けを」と求めた。

 市によると、クルツ氏は「努力する」と約束。松井市長に首都ウィーン訪問を要請し「メッセージを発信してもらう場を設けたい。(核兵器禁止に消極的な)北大西洋条約機構(NATO)加盟国にもインパクトを与えられる」と述べた、という。

 松井市長はこの日、再検討会議のタウス・フェルキ議長にも会った。滞在中に核超大国の米国の政府代表とも懇談する予定。5月1日は再検討会議の非政府組織(NGO)セッションで演説する。一方、松井市長が会長を務める平和首長会議は29日の集会で、核兵器の違法化に向けた交渉が始まらない現状に「深い憂慮」を示し、廃絶の取り組み強化を求めるアピール文を採択。再検討会議参加国に配る。

(2015年4月30日朝刊掲載)

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