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原発事故の地 ヒマワリ満開 福島里親プロジェクト

■記者 榎本直樹

 福島県内の若手経営者たちが、東日本大震災や福島第1原発事故からの復興に向け「福島ひまわり里親プロジェクト」を始めた。発起人は広島市安佐北区出身の半田真仁さん(33)=福島市。全国でヒマワリを育ててもらい、種を被災地に集めて希望の花畑をつくる計画で「震災を風化させず、復興のシンボルにしたい」という。

 半田さんは広島修道大卒業後、商社や福島県庁に勤め、2008年から福島市で人材育成関連会社を経営している。原発事故後、事態は悪化し、住民は放射線におびえる日々。「被爆地出身者として何かできないか」と考えた。経営者仲間や農家に協力を依頼し、約20人が集まった。

 プロジェクトは、種約50粒とラベルなどのセットを500円(送料込み)で販売。花を育てた「里親」から種を送ってもらう。種は福島県内の公共機関や農家、希望する住民に無償で譲り、各地で花を咲かせる。農地荒廃を防ぐ期待もある。

 種の袋詰めなどは、福島県内2カ所の障害者福祉施設に委託した。売り上げは障害者の収入や材料の購入費に充てる。将来は、観光客が訪れるような広大なヒマワリ畑をつくり、復興のシンボルにする構想も描く。

 郷里広島の若手経営者にも協力を呼び掛けている半田さん。「夏に咲くヒマワリを見て、原爆とともに福島の原発被害に思いを寄せてほしい」と語る。プロジェクト事務局Tel024(529)5153。

(2011年6月21日朝刊掲載)

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