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『フクシマとヒロシマ』 放射線影響 研究で連携 広島大と福島大 

■記者 河野揚

 福島第1原発事故を受け、広島大は21日、福島大(福島市)と放射線影響の研究などで連携する包括協定を結ぶことを決めた。医学部がない福島大は社会学や心理学などの分野で、広島大の経験を活用したい考え。7月上旬の締結を目指す。

 両大はそれぞれこの日、教育研究評議会を開き、協定締結を承認した。

 協定書案によると、連携内容は教育や学術研究、教職員の相互交流など5項目。具体策は今後詰めるが、広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の放射線による健康リスクの知見を生かし、福島大が取り組む地域の復興や子どものストレス解消への協力などを想定している。

 放射線の専門家がいない福島大側が5月上旬、原医研の神谷研二所長に協定締結を提案していた。福島大は長崎大とも同様の協定を結ぶ予定。3大学の学長が7月上旬にも福島大に集まり、調印式を開く。

 広島大は4月2日、福島県立医科大(福島市)と被曝(ひばく)医療での連携協定を結び、同大への医師派遣を続けている。原医研の神谷所長は「広島大の蓄積を福島で生かすため、幅広い分野で協力していきたい」としている。

(2011年6月22日朝刊掲載)

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