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「原発ない町」も想定 上関町長、推進は維持 議会答弁

■記者 久保田剛

 中国電力による山口県上関町への原発建設計画を推進してきた同町の柏原重海町長は21日、「原発のない町づくりも当然考えておかなくてはならない」と述べた。推進の立場は維持しつつ、国のエネルギー政策の見直しで原発建設が実現せず、関連交付金が打ち切られる事態に備える必要性に言及した。町議会本会議で一般質問に答えた。

 福島第1原発事故を受け、国はエネルギー基本計画の見直しを表明。同町の主な財源の一つである原発関連交付金も来年度以降は不透明となっている。

 反対派町議の質問に答えた柏原町長は「国の考え方によっては、上関原発建設が相当厳しくなることも予測される。町は岐路に立っている」と指摘。「不測の事態に対応できる準備や施策は常に持ち合わせておくべきだ。原子力財源のあるなしにかかわらず、選択の道を幅広く持つ必要がある」と述べた。

 推進派の町議の理解が得られれば、推進、反対両派を含め、町の将来に関する協議会を設ける意向も示した。

 一方で、原発建設計画については「議会の誘致決議や推進する各種団体の意向があり、私の一存で白紙に戻すわけにはいかない」と強調した。

 定数12の町議会は原発建設計画の推進派が過半数を占める。反対派3人は定例会最終日の22日、計画撤回を求める動議を提案する予定。

(2011年6月22日朝刊掲載)

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