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原発副読本の利用中止

■記者 樋口浩二

島根県教委方針 事故受け一部ページ

 島根県教委は23日、県内の公立小中学校に配布している原子力発電に関する副読本について、福島第1原発事故を受けて記述に誤りが生じたとして、一部ページの授業での利用中止を指導する方針を明らかにした。原発の安全性について「大きな地震や津波にも耐えられる」「放射性物質の放出を防止できる」などの表現があった。

 文部科学省と経済産業省が作製した小学生用の「わくわく原子力ランド」と、中学生用の「チャレンジ!原子力ワールド」。県教委は2010年2月、授業で使う補助教材として、県内のすべての公立小中学校計347校に1冊ずつ配布した。

 いずれも原子力発電所の安全対策を紹介するページで、「地震が起きても、原子炉などの重要な施設は放射性物質がもれないよう作られています」などと表現し、安全性を強調している。

 2種類の副読本については、高木義明文部科学相が4月に「事実と異なるため、見直すべき記述がある」と国会で答弁。県教委は公立学校での利用実態を調べ、小学校12校と中学校2校の計14校で利用を確認したという。

 県教委義務教育課は「子どもたちに誤った認識を伝える可能性がある」としている。今後、研修会などを通じ、各校の担当者に誤った記述のあるページの利用中止を指導していく。

(2011年6月24日朝刊掲載)

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