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中電「上関建設を推進」 株主総会 「脱原発」提案は否決

■記者 山本和明、三浦充博

 中国電力の株主総会が29日、広島市中区の本社であった。株主から原発への反対意見が相次いだものの、中電は上関原発(山口県上関町)の建設計画など原子力事業を推進する考えを強調した。一部の株主による「脱原発」を求める株主提案は否決された。

 昨年より147人多い過去最多の株主700人が出席。山口県の二井関成知事が予定地の埋め立て免許延長は認められないとの考えを示した上関原発計画について、山下隆社長は「(上関原発は)ぜひ建設を進めてまいりたい」と述べた。

 株主からは「上関の計画は白紙撤回すべきだ」「再生可能エネルギーを推進できないのか」などと脱原発を求める質問が相次いだ。一部の株主が上関原発の計画中止や島根原発(松江市)の運転停止などを求めた株主提案6議案は、反対多数で否決された。中電によると賛成は5%程度。過去最長の4時間10分で終了した。株主提案をした「脱原発へ!中電株主行動の会」の溝田一成代表世話人は総会後、「福島原発の事故を受け世論は変わってきている。中電は真摯(しんし)に対応してほしい」と話した。総会後の取締役会で苅田知英副社長が社長に就き、山下社長は会長となった。

(2011年6月30日朝刊掲載)

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