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『フクシマとヒロシマ』 原発周辺で捜索の消防隊員・警官 広島大が被曝検査へ

■記者 河野揚

 広島大は7月から、福島第1原発の周辺で行方不明者の捜索任務などに当たった広島県内の消防隊員と警察官を対象に、広島大病院(広島市南区)で被曝(ひばく)について検査する。地元関係者の不安解消を図るのが狙い。広島県内に避難している福島県民の診察も検討する。

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の医師が診察に当たる。積算線量計で分かる外部被曝量を測定。何を食べたかなどを問診し、ホールボディーカウンター(全身測定装置)で内部被曝も調べる。診察は有料となる見通しで、週1回3、4人を予約で受け付ける。

 広島大は事故直後から医師を派遣している福島県立医科大(福島市)で、同様に福島県内の消防隊員の被曝量を調べている。広島県内の関係者からは「地元に戻った後も診察を受けたい」との要望が強かったという。

 原医研の細井義夫教授(放射線災害医療)は「消防隊員や住民たちの不安を取り除くため、被爆者医療の蓄積を生かして、広島大としての社会貢献をしていきたい」と話している。

(2011年6月30日朝刊掲載)

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