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日本人学校で平和訴え 「ゲン」翻訳 エジプトの教授

 漫画「はだしのゲン」をアラビア語に翻訳したエジプト・カイロ大のマーヒル・エルシリビーニー教授(55)が、現地の日本人学校で講演した。

 小中学生22人を前に、「マーヒル先生から学ぼう~生き方・日本・世界平和」と題して話した。物がなくてパンに塩をかけて食べた小学校時代、授業だけではなく軍事訓練があった高校時代、アルバイトをしながら勉強して広島大大学院に進学した苦労話などを語った。

 広島に来て原爆や「ゲン」について知り、紛争が続く中東の人に戦争の悲惨さを伝えたいと、「ゲン」を翻訳した。平和について「自分の心からつくられる。相手に悪意を持たず、許すことが大切だ」と強調。文化や言語の違いは、相手の国の言葉を学び、文化を理解し、違いを認めることの重要性を訴えた。

 中学1年奥村ヌールさん(12)は「将来の夢を持てるのも平和だから。これからも平和な世の中にしていきたい」と話していた。エルシリビーニー教授は、6月から広島大大学院文学研究科に特任教授として就任する予定。(二井理江)

(2015年5月24日セレクト掲載)

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