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コイ(カープ)の原点 応援歌に 焼けた大地にみんなの思い 大阪の詩人高木さん 公開

 大阪府枚方市の詩人高木いさおさん(61)=写真=が、「立ち上がれ! 駆け上れ!」と題した広島東洋カープの応援歌を独自につくり、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。被爆70年を機に「カープ女子ら若いファンに、復興の象徴で市民に支えられて存在するカープの意義を分かってほしい」と思いをはせた。

 曲は3番まで。動画では歌詞が映し出され、高木さん自身がアカペラで歌う。リズミカルなメロディーにのり「熱き思いと燃える闘志、二つの心が集うとき」など、市民と球団の結び付きを強調。「焼けた大地にみんなの思い。集めてつくったこのチーム」と被爆地に球団が誕生した背景も織り込んだ。

 高木さんは京都市出身。母が尾道市出身で、父は陸軍部隊として原爆投下後の広島で救援活動に当たったといい「子どもの頃から当時の話は聞かされていた」。33歳で執筆活動を開始。2011年8月6日にマツダスタジアム(広島市南区)であったピースナイターで自作の詩「8月6日」が朗読された。それを機に市民の熱意によって誕生したカープの大きさを実感。「歌詞とメロディーが自然と浮かんできた」と作り上げた。

 「この応援歌を通じ、忘れてはいけないヒロシマを伝承してほしい」と願う。高木さんのホームページ「子ども出版」のアドレスhttp://www.kodomoshuppan.net/(下手義樹)

(2015年5月28日朝刊掲載)

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