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初代館長の資料公開 原爆資料館 収集1万1893点の一部 広島市中区

 原爆資料館(広島市中区)は28日、初代館長を務めた長岡省吾氏(1901~73年)が収集した被爆関連資料の一部を、中区の広島国際会議場で報道陣に公開した。

 地質学者だった長岡氏は1945年8月6日の原爆投下の翌日から爆心地に入り、惨禍を刻む資料を収集。55年8月の資料館開館につなげた。遺族が託した資料は、無人となった大竹市の自宅に残っていた1万1893点。内訳は被爆瓦などの実物1850点のほか、フィルム5262点、写真プリント3115点、書籍・印刷物1168点、新聞切り抜き453点、8ミリフィルム45点。

 これらを同館に寄託した次男錬二さん(73)=東区=と、長岡さんの孫、田川主(かず)彦(ひこ)さん(70)=安佐北区=が立ち会う中、学芸員が概要を説明。錬二さんは「損得なしに原爆の悲惨さを伝える物を集め続けた父の歩みを知ってほしい」と話した。12代目に当たる志賀賢治館長は「資料収集の初心に帰り、資料館の在り方を考える機会も与えてもらった」と感謝した。(田中美千子)

(2015年5月29日朝刊掲載)

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