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カレリア・ドレイゴさん死去 93歳 広島で被爆 白系ロシア人

 広島で被爆した白系ロシア人、カレリア・ドレイゴさんが、米国カリフォルニア州ロングビーチで昨年12月30日、心不全のため死去していた。93歳。長男アンソニーさんから9日までに広島市の原爆資料館などへ連絡があった。彼女の死去で白系ロシア人被爆者は全員が亡くなったとみられる。

 カレリアさんは、ロシア革命後に両親が日本へ亡命し、父が1926年から広島女学院の音楽教師となったことから広島で育った。45年8月6日は、現在の東区牛田旭にあった自宅で両親や弟と被爆した。米戦略爆撃調査団が同年11月から行った「被爆者面接調査」で当時の様子を証言した。

 被爆後は、連合国軍総司令部(GHQ)に勤め、知り合った米国人男性と結婚して米国へ移住。両親らも続いた。86年、女学院の創立100周年式典に招かれ広島を再訪。父セルゲイ・パルチコフ氏(69年に76歳で死去)と母アレキサンドラ氏(85年に87歳で死去)を市の「原爆死没者名簿」に登載し、父愛用のバイオリンを女学院に寄贈した。

 白系ロシア人は、6家族13人が広島で被爆し、うち5人は45年秋までに死去したことが2009年に判明。生存者は神戸や米国、オーストラリアに転住していた。カレリアさんは中国新聞の取材に「原爆は悪夢。核兵器を使うのだけは絶対に反対です」と日本語でも語った。

(2015年6月10日朝刊掲載)

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