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原爆被害 不戦の「重し」 「ヒロシマ・アピールズ」ポスター発表

 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)とヒロシマ平和創造基金、広島国際文化財団は28日、被爆70年版の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを発表した。グラフィックデザイナーの佐藤卓さん(59)=東京=が制作。原爆の被害が不戦の「重し」となるよう願い、「HIROSHIMA 70」の文字を刻んだ1個の分銅を象徴的にデザインしている。

 タイトルは「ヒロシマという重石(おもし)」。これまで著名デザイナーたちが手掛けた中、18作目で初の写真作品となる。分銅が押さえ付ける書類の厚い束は、時として争いに向かう人間の理屈を表しているといい「どんな理屈があっても戦争はやってはならない。それがヒロシマの心」との思いを込めたという。

 この日、佐藤さんは広島市役所で、松井一実市長にポスターと、被写体となった分銅(高さ16センチ、重さ7キロ)を贈った。松井市長は「素晴らしい発想。ヒロシマの重みを伝えていくのは、市にとっても最大の課題だ」と共感した。ポスターはB1判。2千枚を市内の書店やJAGDAのホームページで販売している。1枚1080円。過去の17作品とともに、8月10日まで市役所1階ロビーで展示する。(樋口浩二)

(2015年7月29日朝刊掲載)

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