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2世「健康に不安」6割 東友会調査 親の被爆 影響懸念

 東京の被爆者団体「東友会」は29日、都内在住の被爆2世の健康などに関する実態調査をまとめた報告書を公表した。約6割が不安を感じるなど、親の被爆による影響を懸念していた。

 都の制度を利用し、被爆2世として健診を受けている人は3月末現在、7217人。うち東友会が把握している2391人に2013年1月に調査用紙を郵送し、660人から回答を得た。調査は、会の結成55周年事業として実施した。

 被爆2世の思いを尋ねる問いでは、親の被爆の影響を「いつも不安」「少し不安」「ときどき不安」とした回答が計61・0%を占めた。「特に感じない」「考えたことがない」は計36・6%だった。不安な点を複数回答で尋ねると「具合が悪くなると被爆のせいではと気にする」が22・1%でトップだった。

 都庁で記者会見した山本英典理事(82)たちは「被爆の遺伝的影響は未解明だ。都や国は被爆2世全員を対象に調査し、施策を考えるべきだ」と訴えた。

 報告書はA4判、103ページ。500部を発行し、広島市などの自治体や原爆資料館(広島市中区)などの平和関係施設、研究者に配る。(藤村潤平)

(2015年7月30日朝刊掲載)

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