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東電と国、棄却求める 原発避難訴訟で初弁論 広島地裁

 東京電力福島第1原発事故で避難生活を余儀なくされ精神的な苦痛を受けたとして、広島県内の避難者28人が東電と国に1人当たり1100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が29日、広島地裁であった。被告側は請求を棄却するよう求めた。

 原告側は、原告団長を務める広島市出身の被爆3世の40代女性が意見を陳述。原発事故の1週間後に福島県内の自宅から実家のある広島に避難した女性は「生きる喜びと生活の基盤を失い、放射能の不安とともに生きる重荷を背負った」とし、東電と国に謝罪や適切な補償をするよう訴えた。

 被告側は答弁書を提出し、国側は「国に賠償の責任はない」、東電側は「原子力損害賠償法に基づいて賠償に応じており、それ以上の賠償に応じる責任はない」と反論した。

 原告の弁護団によると、9月に広島県内の避難者約10人が追加提訴を予定している。岡山や福岡など全国19地裁・地裁支部でも計約9100人が同様の訴訟を起こしているという。(根石大輔)

(2015年7月30日朝刊掲載)

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